村山悟郎+菅亮平合同ゼミ1
「テクスト論と作家論から」
日時:2020年1月14日(火) 10:00~12:00
場所:東京藝術大学上野校地 中央棟第6講義室
油画科非常勤講師の村山悟郎および菅亮平による本講座では「テクスト論と作家論」をテーマとし、作者と作品制作の関係について、批評理論としての二つの立場の相違を踏まえた考察を行います。私たちはそれぞれのアイデンティティを根拠付ける様々な民族、地域、文化、宗教、歴史的背景を持ち、一般にそれらアーティストの出自とその文脈から生まれる問題意識を、美術の形式や言語に接続することで作品を創造します。そうした作品制作と批評との間では、作家を起点とする解釈の視点と、作品(テキスト)自体の解釈に重きを置く視点が常に交錯します。 まず最初の村山のレクチャーにおいては、作者と作品の関係性を分析するための概念的・理論的な思考の枠組み(領域横断と間文化性、そしてバイ・カルチュラル・アプローチの提案)を提示し、後半の菅のレクチャーでは「作家研究(作家論)」の観点から、アートのプラクティスの見地からの先行研究の在り方を提示します。作品を創作する私たちに常につきまとう、作品の形式的構成とアイデンティティの確立の相関性について課題抽出を行なうことを目指します。
(※油画科学部一年生は必修です。)
村山悟郎+菅亮平合同ゼミ2(2日間)
「意味と形式」
日時:2020年1月22, 23日(水, 木) 17:00~19:00
場所:東京藝術大学上野校地 中央棟第3講義室
日本は他国と国境を接していない島国という地政学的特性があり、したがって他者との差異を自らの国、地域、民族、宗教、社会的背景、美術史の中から意味づけすることの風習的要請に乏しい背景があります。油画科非常勤講師の村山悟郎および菅亮平による本講座では、作品のコンセプトを形成する二つの軸である「意味と形式」をテーマとし、グローバリゼーションの限界と再構築が進む今日の世界情勢において、アーティストとしてのアイデンティティの在り方について再考します。一日目は、両講師による作品制作とその理論的背景に関するレクチャーを経て、参加学生を交えたディスカッションを行います。二日目は、油画1~3年生が年度末の講評会に提出した作品の中から本テーマの検討に適した作例を両講師が選定し、作品のプレゼンテーションを学生に依頼します。各自の発表後はそれぞれの作品における意味と形式の認識的配置を確認し、相互に批評し合うことで自身の制作を省みる機会となることを目指します。
(B2から奥村研太郎、奥村美海、笠井美香、花月啓祐の4名、B1から山本和真、中山夏希の2名がプレゼンテーションを行います。)